越境ECに取り組む3つのパターン
越境EC(国境を超えた電子商取引)には、主に3つの形態があります。
自社運営の越境ECの場合
1つ目は、自社で運営する越境ECです。自社のウェブサイトを通じて、海外の顧客に商品を販売することができます。この場合は、越境ECが構築出来る業者への外注が必要になります。
海外のECモールに出店する越境ECの場合
2つ目は、海外のECモールに出店する越境ECです。これは、現地の消費者が利用するECサイトに出店して、商品を販売する方法です。日本で言う所のAmazonや楽天へ出店するようなイメージです。海外でもAmazonや楽天のようなECモールはたくさんあるので、そこに出店すると言う選択肢もあります。
海代行販売型越境ECの場合
3つ目は、代行販売型越境ECで、海外の小売業者やEC事業者が代わりに販売を行い、商品を仕入れる方法です。販売代行や営業代行といった概念は、越境ECにも存在します。信頼できそうな会社に販売を委託して越境EC事業に着手するのも1つの手段です。
3つのパターンのメリットとデメリット
3つのパターンの中で、自社運営の越境ECが最も自由度が高く、自社のブランドや商品ラインナップを強く打ち出すことができます。一方で、海外のECモールに出店する越境ECは、既存の顧客層にアクセスできるという利点があります。また、代行販売型越境ECは、商品を仕入れるコストが低く抑えられるというメリットがあります。
越境ECを展開する場合には、適切な形態を選択することが重要です。また、各国の法律や税制度についても注意が必要です。海外の顧客に商品を販売する際には、言語や文化の違いにも配慮する必要があります。以上の点を踏まえ、越境ECを成功させるためには、情報収集や戦略の検討が欠かせません。本記事は、その情報収集の一助になればと思い、記載しています。
越境ECの市場規模と日本のECの市場規模
世界のEC市場規模は、2021年には4兆8,200億ドル(約530兆円)に達しており、今後も拡大が見込まれています。一方、日本のEC市場規模は、2021年には約2兆8,400億円と推定されています。世界市場に比べるとまだまだ小さいですが、日本のEC市場も拡大している傾向にあります。
越境ECの市場規模は、2019年には3兆9,300億ドル(約430兆円)に達しており、今後も拡大が見込まれています。特に、ここ数年でオンラインでの買い物が急増し、越境EC市場も大きく成長しています。また、世界各国でEC事業者が越境EC事業に進出しており、競争も激化している状況です。越境EC市場は、今後も拡大が続き、世界中の消費者に商品やサービスを提供することができるビジネスチャンスが広がっています。
越境ECのメリット
越境ECのメリットは、以下のとおり大きく3つあります。海外市場への参入や、海外顧客との取引拡大を検討する企業にとって、越境ECは魅力的な選択肢の一つとなっています。
海外の顧客を獲得できる
1つ目は、海外の顧客を獲得できることです。越境ECを展開することで、日本国外においても商品を販売することができます。海外には、日本の商品やサービスに魅力を感じる消費者がたくさんいるため、海外市場での販売チャンスを逃すことがなくなります。日本国内だけで販売している場合、国内経済の変動や自然災害などによって、売上が減少するリスクがあります。越境ECを活用することで、国内市場に限定されず、海外市場も視野に入れることができるため、リスクを分散出来ることもメリットと言えるかも知れません。
実店舗型で海外進出するよりも安価
2つ目のメリットは、実店舗型で海外進出するよりも安価に展開できることです。実店舗を構える場合は、物件費や人件費などのコストがかかりますが、越境ECの場合は、ウェブサイトを構築することで海外市場に参入することができます。そのため、比較的安価に展開できるというメリットがあります。
日本の商品やサービスに魅力を感じる海外顧客がいる
3つ目のメリットは、日本の商品やサービスに魅力を感じる海外顧客がいることです。海外では、日本のアニメやゲーム、食品や化粧品など、様々な分野で高い評価を得ています。また、和風のデザインや伝統工芸品など、日本独自の文化や技術にも注目が集まっています。これらの商品やサービスに興味を持つ海外顧客が多く存在するため、越境ECを通じて海外市場での販売が期待できます。
越境ECのデメリット
輸送コストが高額であること
1つ目は、輸送コストが高額であることです。商品を海外に輸送するためには、輸送コストがかかります。また、商品の種類やサイズ、重さによっても輸送コストが異なるため、精密なコスト計算が必要となります。さらに、海外に輸出する場合は、関税や税金などの費用もかかることがあります。
国・地域によって異なる対応が必要であること
2つ目は、国・地域によって異なる対応が必要であることです。海外市場に参入する場合、現地の法律や税制度に沿った取引が必要になります。また、商品によっては、海外で販売する際には製品の仕様や規格に合わせた製造が必要となる場合があります。これらの対応を怠ると、商品の輸送や販売に支障をきたす可能性があります。
越境ECで成功している企業の特徴は?
中国向け越境ECで成功している企業の特徴として共通していることは、しっかり事前準備をしていることです。不明点を1つずつ消していく作業はとても時間がかかる為、知見のある外部の専門家に相談することをお勧めします。
- 市場調査の徹底: 成功企業は、中国市場のニーズやトレンドを把握するために、綿密な市場調査を行っています。競合分析やターゲット層の理解を深めることで、適切な商品選定や価格設定が可能になります。
- ローカライズ戦略: 中国市場に合わせた商品開発やサービス提供を行うことで、現地消費者の要望に応えています。また、広告やウェブサイトなどのコンテンツも、中国の文化や言語に適した形で展開しています。
- 効果的なマーケティング: SNSやインフルエンサー、ライブコマースなど、中国市場で効果的なプロモーション手法を活用しています。これにより、ターゲット層へのリーチが向上し、売上拡大につながります。
- 優れた物流・配送体制: 中国市場での発送や返品対応など、物流面での課題をクリアしています。信頼できる物流パートナーと連携し、迅速かつ確実な配送を実現しています。
- カスタマーサポートの強化: 中国向けECでは、顧客対応が重要視されています。成功企業は、中国語対応のカスタマーサポート体制を整え、顧客満足度を高めることに努めています。
- 法律・規制の遵守: 中国市場でのビジネス展開において、法律や規制への遵守は不可欠です。成功企業は、知的財産権の保護や輸入規制など、現地法に基づいた適切な対応を行っています。
越境ECを始める前に確認しておきたい3つのこと
越境ECを始める前には、以下の3つのポイントに注意して準備することが重要です。
商品やサービスが越境ECに向いているか
1つ目は、商品やサービスが越境ECに向いているかどうかを確認することです。越境ECにおいては、海外の消費者に商品やサービスを販売するために、現地のニーズや好みに合った商品ラインナップが必要です。自社の商品やサービスが海外で需要があり、越境ECに適した特徴を持っているかを確認することが大切です。
商品やサービスのニーズがあるか
2つ目は、商品やサービスのニーズがあるかどうかを調査することです。海外市場に参入する前に、現地での消費者のニーズや需要を把握することが必要です。現地でどのような商品やサービスが需要があるのか、競合他社はどのような商品やサービスを提供しているのかなど、十分な市場調査を行うことが重要です。日本でニーズがなくても、海外ではニーズがあるかも知れません。また、その逆もあり得ます。各国単位でマーケットのニーズを見極める必要があります。
出店後に越境ECサイトにどのように集客するか
3つ目は、出店後に越境ECサイトにどのように集客するかを考えることです。越境ECサイトを開設しても、アクセスがなければ売上を伸ばすことはできません。出店後にどのように海外の消費者にアプローチし、サイトに集客するかを検討することが必要です。例えば、現地のSNSや広告媒体、海外ECモールの出店など、多様なアプローチ方法を検討し、戦略を練ることが重要です。
以上のように、越境ECを始める前には商品やサービスの適性や、現地市場のニーズの調査、出店後の集客戦略の準備など、慎重な準備が必要です。越境ECを成功させるためには、十分な情報収集と計画的な戦略の策定が欠かせません。
株式会社Better WEBの越境EC支援サービス
弊社は各国向けの越境EC事業の支援サービスを提供しています。
Shopifyを用いた越境ECの構築
弊社はShopify Japanのパートナーとして、国内向けECのみならず、海外向けの越境ECも構築・運用支援をしております。Shopifyを用いることで越境ECの構築費用を相対的に安くすることが可能です。Shopifyを用いた場合の越境ECサイトの構築費用は以下のとおりです。
・Shopifyの基本プラン:月額29ドル(約4,000円)
・翻訳、ローカライズ、デザイン、プログラミングなどの越境EC構築作業:約150万円〜350万円程度 *1(*1 商品数や必要な機能等によって金額の増減はあります)
・Shopifyのプラットフォームに加え、アプリを導入した機能追加作業:約数万円〜数十万円程度
・運用支援サービス*2(*2 必要に応じて、運用支援サービスを提供しております)
ただし、中国に向けた越境ECはShopifyでは構築できません。詳しくは以下からお問い合わせください。